季節ごとにちがう表情を見せてくれる美しい場所。
ますます寒いですね…お風邪などひいていませんか?
今年に入ってから盛岡・東京・神戸を忙しく行き来していますが、
盛岡に比べると他の2箇所はあたたかくてもう春みたいなもんです…。
私は相変わらず雪が降るとカメラ持って出かけたくなりますが、最も行きたい場所のひとつは「岩手県立美術館」です。
どこも絵になる…。
「美術館」が好きなのでいろいろなところに行きましたが、ここは建物自体がほんとに素敵です。
外から見ても、中から見ても、前から見ても、後ろから見ても、昼も、夜も、夏も、冬も。
コンクリートなのに
土のあたたかさを感じる建造物。
基本的にむき出しのコンクリートの建造物です。
なのに、なんだか冷たい感じはしない。
むしろ土の静かなあたたかさのような安らぎがあります。
森で古くて大きな木に出会った時、おもわず触れたくなるような雄大さがあります。
森林浴のように心が洗われる気がします。
グランドギャラリーを
独占できる幸せ。
展示室に入る前からドキドキさせてくれるこの素晴らしい曲線美の空間、グランドギャラリー。
特にいいのはいつだって混んでいないこと!
東京や大阪でこの規模の美術館にいけば平日でも人がたくさん居ます。
せっかく展示を見に行ったのに人に酔ったり、ゆっくり見れないことが当たり前なのに、ここはこの素晴らしい空間をほぼ独り占めできます。
ごっつい贅沢…!
やっぱり盛岡はやめられませんね。
一枚の、季節の風景画。
目の前の中央公園を座って眺められるスペースがあります。
広大な芝の公園で、季節によって異なる風景画のようです。
私はとりわけ雪の降る日が好きです。
雪がスローモーションみたいにゆっくり舞い降りてきて、公園を塗りつぶしていく。白い外界と黒い館内。
世界から色が消えて、モノクロになってしまったような気持ちになります。
ただただ景色を眺めることの楽しさを思い出させてくれます。
展示ももちろん、すごくいい。
萬鐡五郎、松本竣介、舟越保武を中心に地元の作家作品が常設で見られますが、企画展も期待を裏切りません。
生誕100年松本竣介展はさすがの充実っぷりだったし、横尾忠則ポスター展は原画の比較と遍歴がわかりやすかったし、若冲展では入れ替えもあったので2度行きました。
これからも楽しみにしています。
公園から美術館を眺めるのも、また一興。
目の前の広大な公園には、犬や子供を連れてのんびり散歩したりランニングや自転車で登ってきてる方もたくさんいる、眺めのいい丘があり、そこから美術館全体をながめるのも落ち着きます。
つまり、どこにいても癒やされるのです、この美術館。
忙しくて自分を見失いそうな時は、ここで一日を潰したくなります。
冬のみず、山あるき 東島 毅+本田 健 展
現在の展示の「東島 毅+本田 健 展」ですが、すごくよかったです…!
二度行きました。
けっして点数は多くないのですが、どの作品もすごく大きくて心をがつんと叩くものばかりだったので、おそらくあれ以上多いと、私の場合体力を消耗しすぎてげっそりしちゃいそう…。
別の種類の絵ですが、お二人共「命を削って描いている」感じがすごくしました。
ああ、この人達は途方も無い時間と労力をかけて、作品を作るために自分を削って削って形にしているんだ。
いつか小さくなって消えてしまいそうで、でもそれをわかっててもきっと描き続けるんだろなと思えて、なんだか身震いせずにはいられませんでした。
もうすぐ終わってしまいますが、好みはあるでしょうけど個人的にはとってもオススメなので、お暇な方は覗いてみてください。
色んな意味で「ぞっとする」のではないかと思います。
冬のみず、山あるき 東島 毅+本田 健 展
2013年11月16日(土)〜2014年2月16日(日)
企画展示室